オリエンタルランド、今期は500億円赤字 東京ディズニーリゾートの入場制限が響く:入園者数は67%減の見通し
オリエンタルランドは、2021年3月期の連結最終赤字を511億円とする業績予想を発表。「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の臨時休園や入園者数の制限により、上半期の売上高は前年よりも76%落ち込んだ。
オリエンタルランドは10月29日、2021年3月期の連結最終赤字を511億円とする業績予想を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の両パークが長期にわたり臨時休園。営業再開後も入園者数を制限していることから、上半期の売上高は前年よりも76%落ち込んだ。下期も引き続き入園者数制限の影響が大きくなりそうだ。
20年4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同期比76.2%減の591億円、営業損益は241億円の赤字(前年同期は609億円の黒字)、純損益は300億円の赤字(同430億円の黒字)だった。
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、新型コロナの感染が国内でも広がり始めた2月末から休園。約4カ月後の7月1日に営業を再開したが、感染拡大防止のため、入園者数の制限や営業時間短縮などを実施してきた。8〜9月は入園者数の水準が徐々に回復してきたものの、前年を大きく下回っており、4〜9月の入園者数は82.9%減だった。
一方、ゲスト1人当たりの売上高は増加。チケット価格改定や入園券種の限定によるチケット収入増加があったほか、営業再開後の需要増により商品販売収入も伸びた。しかし、入園者数減少の影響は大きく、大幅な減収となった。
また、これまで未定としていた通期の業績予想を公表。売上高は前期比60.1%減の1854億円、営業損益は514億円の赤字(前期は968億円の黒字)、純損益は511億円の赤字(同622億円の黒字)を見込む。
今期の入園者数の見通しは、67.3%減の950万人。下期も引き続き入園者数を制限しており、1年を通して大きく落ち込む見込み。ゲスト1人当たりの売上高は9.5%増の1万2710円の予想だが、下期は上期と比較すると一時的な単価の高まりは落ち着いてくると見ている。イベントの中止や縮小により、商品販売収入も減少に転じる見通しだ。
9月28日には、東京ディズニーランドに「美女と野獣」をテーマとしたアトラクションなどを備えた新エリアを開業。入場受け付けやアトラクション運営などで感染対策を徹底しながら、入園者数の回復につなげる。また、中長期的には、変動価格制のチケット導入やファストパスの有料化など、付加価値の高いサービスを提供しながら新たな収益源となる施策を検討していく。
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