地方で副業、働いてみたい地域は? リモートワークの広がりで8割が「興味あり」:目的は「キャリア開発」
パーソルキャリアが「地方での副業」に関する意識を調査。新型コロナの影響もあり、地方での副業に興味を持つ人が増えている。副業で働いてみたい地域のトップは北海道だった。
パーソルキャリアは11月4日、3大都市圏に住む人を対象にした「地方での副業に関する意識調査」の結果を発表した。副業に興味がある人のうち、約8割が地方での副業に興味を示した。特に、新型コロナウイルスの影響で地方副業に興味を持った人も多い。副業で働いてみたい地域のトップは北海道だった。
副業に「興味がある」または「すでに副業をしている」という人に対して、「都市部からフルリモートで働くことも含め、地方の企業・団体で副業することに興味はありますか」と尋ねると、「興味がある」「ややある」が計76.4%、「すでに副業をしている」が2.4%。約8割が地方副業に興味があったり、すでに実施したりしていることが分かった。
また、「新型コロナの感染拡大前と比べて、地方の企業や団体で副業することへの興味は変化したか」という質問では、「感染拡大前から興味があり、変わらず興味がある」が30.0%。一方、「感染拡大前から興味はあったが、より興味をもつようになった」(24.0%)、「感染拡大前は興味がなかったが、興味をもつようになった」(25.4%)を合わせると49.4%となり、約5割を占めた。リモートワークの広がりによって遠隔地でも働きやすくなったことや、新型コロナが“会社中心”の働き方を見直すきっかけになったことが、地方副業への興味につながっていると考えられる。
副業で働いてみたい地方の企業・団体の所在地として、最も多かった回答は「北海道」だった。2位が「沖縄県」、3位が「長野県」、4位が「静岡県」、5位が「福岡県」と続いた。選んだ理由は「自然豊かな土地で過ごしやすそう」「好きなイベントや観光地があるから」などといった回答があった。
地方での副業に興味がある理由(複数回答)は、「スキルや仕事の幅を広げることができる」が最も多く、「収入のため」を上回った。20〜40代のどの年代においても5割を超えた。また、「いろいろな人とかかわる機会がある」という回答も多かった。一方、「地方に貢献したい」は約3割、「自然豊かな土地で過ごしやすそう」は2割強と、地方ならではの理由は目立たない結果だった。
同社は「地方副業については、収入増を図る『収入重視型副業』より、キャリア検証や自分の可能性を知る機会として捉える『キャリア開発型副業』を志向する方が多く、ある特定の地域にこだわらず、自身が成長できる場所やスキルが生かせる場所で副業をしたいというニーズが生まれている」と解説している。
調査は9月29日〜10月6日、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)、大阪圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)に住む、20〜40代の「doda」会員を対象にインターネットで実施。1905人が回答した。
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