2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

いまさら聞けないCBDC(2) CBDCがあれば銀行預金はいらない?(4/4 ページ)

世界各国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)への関心が高まっている。第1回では、CBDCが登場したときに、QRコード決済のPayPayのように利用されるイメージをまとめた。ただし、CBDCが競合するのは決済サービスだけではない。金融の基盤でもある銀行にはどんな影響があるのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

現金利用のコストがだんだん高くなる

 日本は現金大国だ。経済産業省はキャッシュレス化に向けてさまざまな施策を講じているが、まだまだ現金の利用比率は高い。一方で、年間1.6兆円と試算される現金管理コストは徐々に表面化してきている。


現金支払の社会的コスト(野村総研資料より)

 CBDCが登場すれば、キャッシュレス社会に向けた決定打となることは間違いない。日銀は「今後も現金に対する需要がある限り、日本銀行は、現金の供給についても責任をもって続けていく。その意味で、CBDCは現金を代替するものではなく、現金と共存し、これを補完するものと位置づけられる」と、現時点ではCBDCの急速な普及には及び腰だ。

 一方で、手数料無料で決済や送金に利用でき、倒産のリスクもないデジタル通貨が登場すれば、現金に対する風当たりは強くなっていくだろう。銀行だけでも、ATM関連で年間約7000億円のコストがかかっていると計算されている。CBDCが登場すれば現金にかかるコストが利用者に転嫁されることは想像に難くない。

 「国民に不便を強いることはできない。現金を使いたいという人がいる限り、使えるようにせざるを得ない。しかしCBDCと現金の両方を扱うことになれば、だんだんと現金を扱うコストが高くなる。これによって、CBDCへのシフトが徐々に進んでいくだろう。日本は現金社会なので、CBDCの導入によるインパクトはものすごく大きいのではないか」(中島氏)

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る