「”会う”意味を更新したい」 リコー、”はたらく”を研究する施設開設 その意義は:アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)
人々にとって”はたらく歓び”とは何か――。リコーが”はたらく歓び”を考える施設を開設した。社内外の起業家やクリエイターに向けた次世代ワークプレースと定義づけるこの施設。単なるコワーキングスペースではない。リコーはここで何を見いだしたいのだろうか。
コンセプトは「デジタルアルコール」
リコーは、リコープリズムを「チームの創造性を引き出す次世代会議空間」と位置付ける。通常の会議室とは異なり、人々の感情を高めるため光や音で空間を演出。参加者の行動や発言の頻度を分析する場所だ。
リコープリズムのコンセプトは「デジタルアルコール」。開発を担当した経営企画本部 経営企画センター Fw:D-PTの村田晴紀氏は「はたらく歓び」は「創造性を発揮する瞬間」だと定義し、創造性を発揮するには「陶酔性」が必要だと分析する。「人々の感情は空間によって影響される。創造的な気持ちになれる空間を創ることができたら、『会うこと』はさらに有意義になるのでは。と考えリコープリズムを開発した」(村田氏)
リコープリズムには、人々の想像力を高める様々な仕掛けが用意されている。
室内では、参加者のモチベーションや感情を高めるために常に光の演出や音楽が流れている。参加者は「PRISM Cube(プリズムキューブ)」という装置を使って意見の出し合いやコミュニケーションを図る。プリズムキューブを操作しながら発言すると、その内容が壁に表示され、出された意見を基に互いに議論を深めていくアプリケーションや、室内に音楽や映像を流して議論の内容を見つめなおすアプリケーションを用意している。
室内には何台ものカメラやマイクがあり、参加者の様子や発言内容、言葉の抑揚などを分析する仕組みとなっている。アプリケーション終了後には分析結果が表示され、「どのような状態で議論したか」を客観的に知ることができる。同社は、リコープリズムを使って創造性に関する研究に興味がある人や、新しい開発を試みたい人への活用を呼び掛ける。
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