「”会う”意味を更新したい」 リコー、”はたらく”を研究する施設開設 その意義は:アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/3 ページ)
人々にとって”はたらく歓び”とは何か――。リコーが”はたらく歓び”を考える施設を開設した。社内外の起業家やクリエイターに向けた次世代ワークプレースと定義づけるこの施設。単なるコワーキングスペースではない。リコーはここで何を見いだしたいのだろうか。
生産性向上の先にある「人間らしい働き方」
リコーは1977年、機械ができることは機械に任せ、人はより創造性のある仕事ができるようにと、OA(オフィス・オートメーション)を提唱。2017年には、創造力を支えワークプレースを変える「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」を顧客への提供価値として定めている。稲田氏は「生産性の向上によって捻出した時間を使い、今度は『人間らしい働く』を支えるサービスを提供したい」と話す。
「コロナ禍でリモートワークが普及し、デジタル化が進んだ結果、単純作業やタスクが減り、人の仕事の価値は『創造性』になると考える。また、チームワークで生まれるモノや、偶然の出会いから生まれるモノの価値も今後高まっていくだろう。そのような中で、3Lという場所が持つ意味は大きくなると感じている」(稲田氏)
リコーでは、3Lを起業家やクリエイターを中心に活用してもらいたいと話す。その中で人々がどのような状況でリコープリズムを使用し、どの場面で創造性を発揮するのかを分析し、得られた研究成果を商品開発に生かしたいとしている。
コロナ禍でリモートワークやオフィスの分散化などが進み、AI(人工知能)を活用したサービスが次々と提供されている。しかし、会って議論する重要性がなくなった訳ではない。これから先、出会いから生まれる新しいビジネスや、人間だからできる仕事をどう創出していくか。3Lからアフターコロナの「新しい働き方」が見えてくるかもしれない。
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