コラム
耳を疑う、武田総務相の発言 携帯値下げ「メインブランド以外は意味なし」指摘への戸惑い:本田雅一の時事想々(1/4 ページ)
携帯電話料金の値下げを巡って、武田総務大臣が「メインブランドについては新しいプランが発表されていない。これは問題だ」と発言したが、筆者は市場競争を阻害することになると指摘。どういうことかというと……。
耳を疑うとはこのことを言うのだろう。
11月20日、武田良太総務大臣による「メインブランドについては新しいプランが発表されていない。これは問題だ」というコメントを紹介する記事を目にして、思わず元発言の動画を探してみた。なるほど、確かに報道の通りに発言をしている。
しかし、これは総務大臣という立場から考えられる発言とは思えない。あるいは個人的な想いからなのか、あるいは政府全体の方針なのか。
もちろん、菅義偉総理大臣が携帯電話料金の水準を下げることを政府の方針としていることは明らかで、業界全体はその方針に沿う形で動き始めていた。しかし、メインブランドに価格を引き下げたプランが発表されていないことを問題視した発言には、さすがに携帯電話事業を取り巻く業界だけでなく、当の総務省も含めて戸惑いが広がっているのではないか。
“波紋”ではなく“戸惑い”と表現したのは、この発言趣旨が総務省が掲げてきた方針と乖離(かいり)しているためだ。最終的には武田総務大臣の発言に沿う形で総務省は対応していくことになるのかもしれないが、総務省関係者は二の句が継げないに違いない。
競争を促す方針のはずが、なぜか競争を阻害する発言に
武田総務大臣の発言が戸惑いを生んでいるのは、総務省が数年を費やして進めてきた競争を促すための施策を、まるで無視するかのように社会主義的な鶴の一声で流れを変えようとしているからだ。
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