売れたのは「マスク」だけではない 想像していなかったヒット商品は?:新生活に対応(3/4 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、マスクが爆発的に売れた。その一方で、思いがけないモノが売れている。それは……。
コロナ以後に爆売れした理由はマスクメイクの訴求
もう1つ、マスク関連アイテムで売れているものがある。コーセーの「メイクキープミスト」だ。
「メイクキープミスト」は汗や皮脂による化粧崩れを防ぐメイクキープスプレー。19年6月に発売したものだが、新型コロナの感染拡大に伴い、「マスクで化粧が落ちない」と評判になったことから売れ行きが急拡大している。発売からか9カ月後の20年3月に総出荷本数が100万本を超えるなど、コロナ以前から人気があったものの、さらに4カ月後の20年7月には総出荷本数が200万本を突破。単純計算だが、コロナ以後の売れ行きがコロナ以前と比べて倍以上で、まさに爆売れ状態だ。
メイクした上からマスクを装着すれば、マスクが触れた部分の化粧は落ちる。布マスクのように洗って繰り返し使うマスクだと、洗っても落ちにくいことがあるので、洗濯が厄介になる。
このように、女性は化粧することもあり男性よりマスクの装着に神経を使う。マスクするたびに化粧が落ちてしまうことに悩む女性が「メイクキープミスト」に飛びつくのは、ある意味自然なことだ。
メイクキープスプレーは数多く販売されている。その中で「メイクキープミスト」が選ばれている理由として、効果が8時間ほど持続する、ドラッグストアで手に入る、化粧の質感が変わらない、などを挙げることができるが、コロナ以後の爆売れを実現したのは、プロモーションによるところも大きい。化粧品にしてはテレビCMの放映など予算をかけていないが、コロナ以後、同社公式TwitterアカウントやSNS広告で動画を配信するときは、必ずハッシュタグ「#マスクメイク」を付けることを徹底。これにより、マスクによる化粧落ち防止の情報を探している女性の目に商品を触れやすくした。
実は「メイクキープミスト」のプロモーションではもともと、季節に応じて訴求ポイントを変えていた。発売した19年6月ごろは化粧が崩れにくいこと、同年冬はこれに加え保湿効果があることを訴求している。マスクメイクの訴求もこの流れの一環だった。
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