福袋は「企業泣かせ」? 意外な成り立ちと工夫を凝らしたコロナ禍の戦略:福袋購入歴40年のベテランが分析(3/4 ページ)
新型コロナウイルス感染拡大の中、例年とは違う動きを見せる「福袋商戦」。福袋を40年以上買い続けてきた筆者のMOMOTA氏はこう分析する。
百貨店の対応は?メディア対応のお披露目会も半分以下に
12月に入り新型コロナウイルス感染の第3波が話題になる前から、百貨店などではすでに年末年始の福袋の販売対策を練っていました。毎年10月から11月にかけて、百貨店各社はメディアや関係者を集めた「福袋の披露会」を開催しています。しかし今回は3密回避などの理由から、披露会を開催した百貨店は半分以下になりました。
21年の年明けに開始される初売りの対応は百貨店によってまちまちですが、基本的に全ての百貨店がコロナ対策をしています。通常通りに販売する百貨店はありません。当然と言えば当然ですが。
日本百貨店協会の会長を務める村田善郎さんが率いる高島屋などは特に新型コロナウイルス感染防止対策に敏感で、全ての情報の開示や、正月三が日の福袋販売を行わないと発表しました。
そんな中、ある百貨店の担当者と話をしたときに言っていたのが「Web通販の有効利用」でした。前述してお話し致しましたが、百貨店の通販での福袋販売は10月頃から始まります。
ある百貨店の場合は、人気があり「人が殺到する可能性のある福袋」は、年内に店舗で受け付けをする。また、年内の店舗受け付けを早めに開始し、期間を長めにして、年内受け付けの時点でも人を分散させる施策をしています。
私が話を聞いた担当者の所属する百貨店では、例年なら通販では予約販売しない小規模の福袋も、今回はWebでの販売に参加してもらい、お正月は福袋の規模を小さくすると話していました。
他には、お正月に人気の出そうな福袋は別ブースを設けて、人が密集しないようにする百貨店もあるようです。百貨店自体は、売り物さえあれば是が非でも福袋を売ってマージンを稼ぎたいというのが本心だと思いますが、各社工夫を凝らしてギリギリの対応をしているようです。
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