焼肉業界で「大豆ミート」が主流になる、これだけの理由:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
外食産業が苦戦する中、「焼肉」が健闘している。カルビやハラミなどを好む人が多いだろうが、近い将来、肉を食べることができない日がやって来るかもしれないのだ。どういうことかというと……。
コロナ禍によって飲食業界が壊滅的な被害を受けている中で、「焼肉」が健闘しているらしい。
報道によれば、他の飲食店よりも客の落ち込み具合が少ないことで、こんなご時世にもかからわず、焼肉チェーンは店舗数を増やしているという。また、良質な肉を仕入れさえすれば、あとはそこまで特殊な調理技術が必要ではないので新規参入のハードルも低く、ワタミなど他業態から「乗り換え」する事業者も増えている。
確かに、客の立場からすれば、焼肉店はあちこちに排煙フードがあるので、個室居酒屋などの「密」な感じよりも、はるかに換気ができていて安心というイメージがあるのだろう。ネットやSNSのコメントを見ると、自分で焼いて食べるのも消毒感があっていいということらしい。
ただ、これも「これからは立ち食いステーキの時代!」「せんべろ居酒屋が大人気!」という過去のトレンドと同じで、そこに金脈があるぞとなれば、わっと事業者が押しかけてレッドオーシャンになる。死屍累々(ししるいるい)のカニバリが始まって最悪、「最近なんかやたらと焼肉屋多くない?」「なんかもう飽きたよな、サッパリしたもんでも食いに行こうぜ」なんて感じで、消費者の「焼肉離れ」を引き起こしてしまうかもしれない。
もちろん、「ブームはメディアで取り上げられたらもうおしまい」ということは、生き馬の目を抜くビジネスの世界で戦っている方たちはよく知っている。「コロナ禍でも焼肉店が増えている」という話がこれだけ取り上げられていると、先見性のある焼肉店経営者たちは、既に「次」を見据えて動いていらっしゃるはずだ。
では、その「次」とは何かというと「大豆ミート」である。
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