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バルミューダ上場 「機能」ではなく「体験」重視で家電を変える(1/2 ページ)
家電の設計・開発・販売のバルミューダは12月16日、東証マザーズ市場に新規上場を果たした。1939円という公開価格に対し、初値は約1.62倍となる3150円と投資家の期待の高さを見せつける形となった。
家電の設計・開発・販売のバルミューダは12月16日、東証マザーズ市場に上場を果たした。1939円という公開価格に対し、初値は約1.62倍となる3150円と投資家の期待の高さを見せつける形となった。新規上場を受け、バルミューダの寺尾玄社長は同日東京証券取引所にて上場会見を行った。
「機能」ではなく「体験」を重視する開発が価値を生む
バルミューダといえばスタイリッシュなデザインで人気の家電メーカー。代表的な製品は2010年に発表された扇風機「The GreenFan」だ。この製品は「自然界の風を再現した扇風機」をうたっており、日本の扇風機ジャンルに初めて「高級モデル」という概念を打ち立てた。その後、15年にはキッチン家電ジャンルにも参入。水を使って焼くトースター「BALMUDA The Toaster」も大ヒットした。
上場会見で寺尾氏は、「自由な発想で今までにない『体験価値』を提案できるのが自社の強み」とコメント。バルミューダブランドの家電はデザインへのこだわりはあるが、デザイン家電を作るという目的は今も昔もないという。目指しているのは、あくまでも家電で提供できる美味しさや心地よさ、楽しさといった数値にできない価値だ。
バルミューダは他社製品よりも高価格帯の製品が多いが、これらの製品がヒットしたのは、この数値にできない価値が顧客に理解されたからだという。
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