社員の9割「テレワーク継続」の企業が実感した、リモート化の絶大な効果:アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/3 ページ)
特に中小企業でテレワーク継続が難しいケースが多い中、約400人いる社員の9割がテレワークを続けているのがBFTだ。試行錯誤の中で続けてきたが、業務のオンライン化によって「社内コミュニケーション」と「外部との連携」に大きな“効果”が現れている。
アフターコロナ 仕事はこう変わる:
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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調査会社のJ.D.パワージャパンが9月、約4700社を対象に実施した調査によると、テレワークの導入企業は、従業員数1000人以上の大企業で78%だったのに対し、300〜999人の中堅企業では45%、100〜299人の準中堅企業では34%、100人未満の中小企業では24%。大企業では約8割が導入していたが、中堅以下の規模になると5割未満だった。
また、パーソル総合研究所が11月、就業者約2万人に対して実施した調査では、従業員数1万人以上の企業に勤める人のテレワーク実施率は45%。この調査でも、企業規模が小さくなるにつれ実施率は低下し、100人未満の企業では13%にとどまっている。5月の調査時よりも企業規模による差が広がっているという。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が出た4〜5月は、一時的にでもテレワークを実施した企業が多かった。しかし、特に大企業以外では、継続するのが難しいというケースも多いようだ。業種の特性や業務上の手続きの問題などがハードルになる。
そんな社会情勢の中、約400人の社員の90%がテレワークを継続している企業が、インフラ基盤構築やシステム開発を手掛けるBFT(東京都千代田区)だ。当初は急きょテレワークを導入したが、その後も継続することで、導入前には想定していなかった“効果”も実感しているという。
テレワークのルールがない状態からスタート
同社は、企業などのサーバ環境やクラウド環境の構築、オープン系システム開発のほか、企業のエンジニア向けの実践型IT技術研修サービス事業などを手掛ける。社員はシステムエンジニアが中心で、8割が顧客企業に常駐して仕事をするという。
客先で仕事をする働き方が多いものの、4月の緊急事態宣言を受けて、テレワークへの切り替えを検討したところ、顧客からの抵抗はあまりなかったという。取引先もIT企業が多く、そこの社員もテレワークに切り替えていたからだ。そのため、当初から社員の9割以上がテレワークを実施していた。
しかし、BFTが以前から定めていたテレワークの規定は、育児や介護をしている社員に限定したものだった。そして、そのルールを活用してテレワークをしている人も1割に満たなかった。小林道寛社長は「全社でのテレワークの規定はなかったが、取りあえず始める、というスタートだった。その後、夏ぐらいに正式に規定を作った」と振り返る。
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