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JR東日本、「新幹線オフィス」の実証実験を実施 21年2月、座席でWeb会議も可能に:リモートワーク推奨車両を設定
JR東日本は2021年2月、新幹線の車内にWeb会議も可能なリモートワーク空間を設ける実証実験を実施する。リモートワーク環境や課題を検証し、移動中でも快適に仕事ができる「新幹線オフィス」構築の検討を進める。
JR東日本は12月22日、新幹線の車内にWeb会議も可能なリモートワーク空間を設ける実証実験を2021年2月に実施すると発表した。リモートワーク環境や課題を検証し、移動中でも快適に仕事ができる「新幹線オフィス」構築の検討を進める。
実証実験は、21年2月1〜26日に実施(土休日を除く)。「やまびこ」と「はやぶさ」で実施し、2月1〜12日は1日上下8本、15〜26日は上下10本が対象列車となる。
実験の対象列車では、座席での通話が可能な車両を「リモートワーク推奨車両」として1両ずつ設定。Web会議を利用することもできる。対象列車の利用に必要な乗車券と新幹線特急券を持っていれば、追加料金は不要となる。
リモートワーク推奨車両に座席指定はないが、仕事に集中できるようにするため、利用可能な座席は限定する。例えば、1列がA〜E席の5席であれば、窓際のA席とE席、通路側のC席のみ使用可能となる。
車内では、個別の通信ルーターの貸し出しなど、リモートワークのためのツールを試す機会も提供するという。
実証実験で利用動向やニーズ、課題を検証し、より快適なリモートワーク環境の提供を目指す。また、リモートワーク環境以外にも、輸送サービスにさまざまな付加価値をつけた新サービスの検討を進めていくという。
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