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テスラに続くのは、果たしてどのEVベンチャーか?完成車メーカーとして確立したテスラ(2/6 ページ)

クルマの電動化が加速している。既存メーカーのハイブリッドやEVへの転向はもちろん、テスラを始めとするEVベンチャーも多数立ち上がっている。ここでは、イーロン・マスクが採ったテスラの成長戦略を思い起こしつつ、数あるEVベンチャーの現状と今後の可能性を見ていく。

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テスラの巧みな成長戦略

 テスラの発想力と決断力、行動力はベンチャーならではというより、ベンチャーの枠を超えていたといえる。思えばテスラは、最初から自動車エンジニアの度肝を抜く発想力で、高性能なEVを作り上げて見せた。

 まだリチウムイオンバッテリーがクルマ用としてはほとんど使われていなかった頃、ノートパソコン用ので直径18ミリ、長さ650ミリの円柱型をしたバッテリーを6831本も使ったEVを開発した。コストを抑えながらもスポーツカーとしての動力性能は十分で、当時のEVとしては驚異的な356キロメートルという航続距離を実現した。

 そして自動車メーカーとしてのノウハウがない問題は、ロータスからシャーシを購入することで解決してしまった。こうして作り上げられたのが、テスラ・ロードスターだ。

 次にテスラは、より完成度の高いEVをイチから自社で開発することを目指す。自動車メーカー出身のエンジニアを雇い、シャーシを自製。運転操作以外の装備をすべて大型タッチパネルに集約することで、近未来的な運転感覚を強調しながら、ソフトウェアだけで幅広い領域を制御できるシステムを構築した。

 自動運転技術も積極的に導入し、さらにはOTAと呼ばれる無線を利用したソフトウェアのアップデートを採用することで、ディーラー不要のサービスを実現した。

 こうして高性能ぶりを投資家たちにアピールし、マスクは多額のベンチャーキャピタルを集め、テスラを成長させ、存続させてきたのだ。

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