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テスラからの争奪戦が勃発、中国自動車業界へ参入するメガITの勝算浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/6 ページ)

2020年の自動車業界の最大トピックは、トヨタを抜き世界首位となったテスラの時価総額だろう。販売台数ではトヨタの10分の1もないが、中国マーケットを取り込んで業界に変革を起こし、中国新興EVメーカーは勢力を拡大、さらにメガIT企業の参入も呼び込んだ。そこで21年に台風の目となりそうな、中国自動車業界の注目トレンドを紹介したい。

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データ収集するコネクテッドカーに注目

 恒大汽車は今年9月、テンセントや配車サービス最大手のDiDi(滴滴出行)、ジャック・マー氏のファンドなどから約40億香港ドル(約540億円)を調達した。

 同社以外の新興EV企業にも、アリババ、テンセント、シャオミ、バイドゥ、美団、バイトダンスなどメガITの資金が入っている。メガITやその創業者は資金力によって新しい産業を育て、既存産業をテコ入れする役割も担い、それが異業種提携を進める素地にもなっている。

 メガITが出資者にとどまらず、プレイヤーとして本格的に動き出したのも、20年のトピックだった。

 19年5月にコネクテッドカーソリューションを手掛けるビジネスユニット(BU)を設立したファーウェイ(華為技術)は、今年11月、同BUを従来のICT事業管理委員会から、スマホなどを管轄するコンシューマー事業管理委員会に移管した。

 ファーウェイは、スマホ事業が米国の規制を受け生産危機に陥っていることを受け、自動車メーカーに対し、ネットにつながる座席やハンドルを供給することで、新たな成長事業に育てようとしている。ファーウェイはさらに今年11月、国有大手の長安汽車、車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と共同で、EV車を開発すると発表した。

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