2021年は「呪術廻戦」が“ネクスト鬼滅” 「〇〇の呼吸」はもう時代遅れに?:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
若年層の関心について検討を深めると、2021年は鬼滅の刃でよく用いられた「○○の呼吸」や「全集中」といったワードが、「領域展開」という決めゼリフに置き換えられつつあることが分かった。今回は、「領域展開」という“謎の単語”の理解を深め、21年のトレンドを確認したい。
「笑 今は呼吸よりも領域…展開ッ!ですよ」
これは筆者と後輩の間でなされたLINE会話の一部である。「呼吸」といえば、「鬼滅の刃」登場人物の剣術に用いられる呼吸法である。そのことは今やほとんど人々が理解しているだろう。しかし、「領域展開」についてピンとくる者は、現状ではそれほど多くないのではないだろうか。
しかし、若年層の関心について検討を深めると、2021年は鬼滅の刃でよく用いられた「○○の呼吸」や「全集中」といったワードが、「領域展開」という決めゼリフに置き換えられつつあることが分かった。今回は、「領域展開」という“謎の単語”の理解を深め、21年のトレンドを確認したい。
そもそも、「領域展開」とは、18年に週刊少年ジャンプで連載がスタートした「呪術廻戦」という漫画作品で出てくる技だ。主人公である虎杖悠仁(いたどりゆうじ)をはじめとした呪術師が使用できる最も強力な術式として、「領域展開」が繰り出される。直近では、TikTokのような若年層向けのSNSを中心に、領域展開の使い手で人気キャラである五条悟(ごじょうさとる)のモノマネやパロディ投稿が目立っている。
しかし、街中でひっきりなしに目にする鬼滅と比べ、呪術廻戦が本当に”ネクスト鬼滅”のようなポジションを獲得できるのだろうか。この点について、グーグルのデータを見ると「鬼滅から呪術へ」の流れが来ていることがはっきりと浮かび上がってくる。
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