調査リポート
働くモチベーション「低い」、テレワーク実施後に増加 “チームの仕事”減少が影響:仕事の全体像が分かりにくく(2/2 ページ)
リクルートキャリアの調査によると、テレワーク実施前よりも実施後の方が「働くモチベーションが低い」とする回答が8ポイント多かった。特に、チームで取り組む仕事が減った人にその傾向が強かった。
「仕事の全体把握」「フィードバック」が大きく変化
仕事のモチベーションに関わる5つの要素について、テレワーク実施前後の状況を尋ねると、「仕事の全体感の把握」「仕事の重要性の実感」「上司や同僚からのフィードバック」の要素については、「自分の仕事に当てはまる度合いが高い」という回答がテレワーク実施前後で大きな差が出た。一方、「求められるスキルの多様性」「仕事の進め方の裁量」の要素ではあまり変化がなかった。
テレワークの難しさについては、「仕事の全体像が分かりにくくなった」「耳から入る情報量が少なくなった」「コミュニケーションギャップが発生する可能性が高くなり、効率性が下がる」などといったコメントも寄せられている。
同社は調査結果について、「テレワーク実施前後での仕事の仕方を比較して『個人で取り組む仕事が減った』『比率は変わらない』と回答した人たちには、『モチベーションに影響する仕事の5要素』の指標に大きな変化が見られなかった。このことからも、テレワークの導入に起因するチームの仕事や周囲との協働の減少が、モチベーションの低下につながっている可能性が示唆される」と分析している。今後もテレワークの必要性が増す中で、働く環境による影響を考慮しながら仕事のやり方を指示していく必要がありそうだ。
調査は20年9月にインターネットで実施。企業に勤める正規の従業員で、20年1月以降にテレワークを実施した2272人が回答した。
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