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大学運営や受験産業に影響大 日本の「難関」大学が減る理由:偏差値(1/4 ページ)
日本の「難関」大学は減っていると筆者は主張する。大学運営や受験産業にも大きな影響を与える事態だ。その理由とは?
1月16〜17日は、大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストが行われる。新型コロナウイルスが受験生にも大きな影響を与えおり、大変な受験勉強を乗り越えて、良い春を迎えることを願っている。
近年、大学が定員より多い合格者を出して辞退者に備える手法に対して、文部科学省から指導があった。その影響で、入試の難易度が高まったと学習塾を運営する企業は宣伝している。しかし、これは短期的な「瞬間風速」の話だ。
減少に歯止めが効かない18歳人口は、ピークの3分の1
日本の大学は、一部を除いて日本語で入学試験を行い、授業も日本語で行っている。ほぼ、日本の子どもの数が、日本の大学に入学する「見込み客」の数だ。出生人口の推移を見てみよう。
2019年の出生数は86万人。16年に戦後初めてとなる「100万人割れ」がニュースになったが、減少ペースは加速している。コロナの影響を受けて、その傾向はさらに強まる見込みだ。ベビーブームの時代と比べても、19年は4割程度まで減少している。
20世紀に入ってGDPで日本を抜いた中国では、19年の出生数が1465万人と日本の17倍程度だという(出所:日本経済新聞電子版1月17日付「中国出生数1465万人 19年、58年ぶり低水準」)。その国の経済規模は、特に成長性の面で若年層の数が大きな影響を与える。現在の国力の差を表してしまっている。
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