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コロナ禍で参加者を3倍まで増やしたhontoのオンライン読書会「ペアドク」に潜入「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(3/3 ページ)

2019年にスタートした「ペアドク」は、当初は都内のカフェなどで開催していたものの、コロナ禍以前から検討していたオンラインでの開催に踏み切った。すると20年3月の時点では100人程度だったFacebookコミュニティーの参加者を、11月までに300人程度にまで増やせたという。ペアドクが取り上げた ピョートル氏『パラダイムシフト』の回に潜入した。

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ペアドクで得られる深い読書体験

 以上はピョートル氏の講演や、参加者との対話の一部を伝えたものだ。「ペアドク」ではさらに深く、自己実現について心掛けていることや、日本の働き方改革の課題、本質的な課題を発掘するために必要なマインドセットなどについて対話していた。

 またこの日は、日本最大の朝活コミュニティーの「朝渋」とも連動して、早朝にピョートル氏が講演とトークセッションをしている。「ペアドク」と「朝渋」の両方に参加した人は、ピョートル氏が『パラダイムシフト』で伝えたかったことを、より深く理解できるよう連動していた。

 「ペアドク」はオフラインのときは都内のカフェなどで開催していた。オンラインに切り替えてからは、約半分が首都圏、約半分が地方からの参加だという。hontoの「ペアドク」担当者で、読書会の企画やコーディネートをしている大日本印刷出版イノベーション事業部hontoビジネスセンターの松原嘉哉さんは、「まだまだ広がる可能性がある」と期待する。

 「電子書籍や『note』など、活字市場は多様化してきたと感じています。その中でペアドクは、30分しか読まなくていいことが今の時代にあっていて、かつ、自分と他者の解釈をすり合わせるコミュニケーションに価値を感じてもらえているのではないでしょうか。

 現在はテーマにした書籍を丸善ジュンク堂書店と文教堂で購入すると、ポイントが10倍になり、読書会の参加券が半額になるフェアを開催することがあります。提携する書店をもっと広げて、地方からの参加者にとってもより良いサービスを構築していきたいです」

 外出や会食の自粛など人の動きが制限されるコロナ禍では、オンラインで人とつながる機会を求める人は少なくない。オンライン読書会の「ペアドク」は、そこに商機を見いだした。限られた時間のなかでも参加者が著者と直接対話し、多様な意見をシェアすることによって、読書の楽しみを深め、顧客の満足度を高める場を生み出している。

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大日本印刷出版イノベーション事業部hontoビジネスセンターの松原嘉哉さん(左)とピョートル氏
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