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月額280円で駅の傘「使い放題」なのに返却率は99% 設置場所が増えている「アイカサ」の正体開始2年で800カ所に設置(3/3 ページ)

日本で年間に消費される傘のうち約6割にあたる約8000万本がビニール傘だとも言われている。気軽に購入できる分、紛失したり壊れたりしても、特に気にしない人も多いのではないか。そこに商機を見いだした企業が注目を集めている。Nature Innovation Group(東京都渋谷区)が運営する、傘のシェアリングサービス「アイカサ」だ。

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「リぺアラブル」な傘でビニール傘と同じ利用率を目指す

 上質な傘という利点を生かし、現在はさまざまな機関と組んでキャンペーンを展開。認知度向上を図っている。20年夏には環境省と連携し、熱中症警戒アラートが発表された際に日傘を無料で提供するサービスを実施した。また、大ヒットアニメ映画「天気の子」やキングコングの西野亮廣氏の作品「えんとつ町のプペル」とタイアップ。それぞれの作品の舞台となった地域に設置して話題となった。


人気作品とのタイアップでも話題に©2019『天気の子』製作委員会(出所:プレスリリース)

 新型コロナウイル感染拡大の影響で外出する機会が少なくなった今、アイカサの利用にも変化が出てきていると丸川氏は話す。これまでよく使われていた駅は東京駅などのいわゆる「ターミナル駅」だったが、在宅勤務などが普及したこともあり、最近では住宅街に近い駅での利用が多くなったという。「新しい生活様式では、都市の1局集中が分散し、各地に小さな都市が生まれると思う。その変化を見過ごさずにスポットの展開を進めていきたい」(丸川氏)

 サービス開始から約2年で着実に設置場所、利用者を増やし続けている同社。アイカサが目指すところは「ビニール傘と同じくらいメジャーな選択肢となる」ことと「雨の日の機会損失を減らしていくこと」だ。

 「オフライン市場にとって、雨の日の機会損失は大きいと思う。『雨が降っているから外出するのを諦める』『行きたい店に行くのをやめる』といったことを少しでも減らせるような、雨の日に欠かせないサービスにしていきたい」(丸川氏)


代表取締役 丸川照司(インタビューはオンラインで実施)
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