サイゼ社長の「ふざけんな」は当然 時短要請と協力金が批判されまくるワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/7 ページ)
当初、東京都は協力金を支払う対象を中小事業者に限定していた。しかし、大手企業から“異論”が相次いだ。不公平な仕組みを見直さなければ、都心店・大型店の崩壊は近い。
サイゼリヤは「ふざけんな」
さらに、要請に応じて時短している企業も、憤懣(ふんまん)やるかたないという感じだ。1月12日に西村康稔経済再生担当大臣が「ランチもリスクが低くない」と、国民に夜間のみならず日中も不要不急の外出と外食を控えるよう要請した。サイゼリヤの堀埜一成社長は、同13日の決算発表の席上で「昨日またランチがどうのこうのと言われましてね。ふざけんなよと」と語気を荒げ、大手への協力金の拡充を訴えた。
なお、サイゼリヤは食事用マスクを考案するなど、政府の感染防止策に外食で最も協力的な企業の1つだ。自らの業績悪化を、景気や災害、行政など人のせいにする企業では、断じてない。そのサイゼリヤの社長が怒るとは、よほどの事態と考えるべきである。
中華「紅虎餃子房」や和食「葱屋平吉」などを国内に355店展開する、際コーポレーションでも動きがあった。1月13日、和洋中の料理人と店長の代表者が、時短に応じた外食大手の店舗にも協力金を支給するよう、陳情のために東京都庁を訪れた。
同社の中島武社長は、Facebookにて「営業補償は、都内にある各店全てに支給されるのだと人々は(誤って)認識している。(2020年の緊急事態宣言時など)今までも、(1事業者につき)1店舗しか対象にならず、今回は対象外ーー? 大手飲食店にも平等な対応をしてほしい」などと、心情を吐露。「同様な飲食企業の方、各自要望書を持参してお願いして下さい。共に参加も歓迎致します」と、呼び掛けていた。
当日、都庁には、Facebookの書き込みに賛同した東京都議会議員・上田令子氏、目黒区議会議員・白川愛氏も同行した。
このような中島社長と際コーポレーション社員の行動も影響して、中小だけでなく大手にも等しく1店舗当たり1日6万円を支給するという小池知事の決断につながった。
「大手飲食店は一つ一つの店の集約で成り立っております。其処には従業員が居り、家賃も大家さんに払っております。私達は反旗を掲げているのではありません。自分達の生活を守る為に懸命です」(中島武氏Facebookより)というのは、東京都に基盤を持つ外食大手の本音だろう。
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