サイゼ社長の「ふざけんな」は当然 時短要請と協力金が批判されまくるワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/7 ページ)
当初、東京都は協力金を支払う対象を中小事業者に限定していた。しかし、大手企業から“異論”が相次いだ。不公平な仕組みを見直さなければ、都心店・大型店の崩壊は近い。
大型店にとっては「焼け石に水」
このように、東京都では支援の対象から弾かれた大手外食企業が「このままでは倒産してしまう」という強い危機感を抱いた。そして、時短要請に応じない企業が出始めた。時短要請に応じているところからも窮状を訴える動きがあったことから、「大手にも支給へ」と舵を切った。
コロナ禍が始まって1年になるから、大手といえども余裕がなくなってきている。大量閉店を決定した企業もある。
「魚民」や「白木屋」などを展開する大手居酒屋チェーンのモンテローザは、1月15日に都内337店のうち、約2割にあたる61店の閉店を決定した。
大庄のメガフランチャイジーとして、関東に「庄や」「日本海庄や」など60店を展開するかんなん丸。同社は、緊急事態の期間中、全店休業。1月13日に約半数の27店を閉店し、80人の希望退職者を募集する決定をしている。
しかしながら、こうして緊急事態宣言下で時短に応じた飲食店に対して、店舗規模や立地に関係なく、1店につき1日6万円を一律に支給するようになったからといって、「万事めでたし」とはならない。
前出・グローバルダイニングのように、家賃が高い東京都心部で100席以上の大規模店を展開していれば、焼け石に水の状態だ。
大阪、名古屋、福岡などの大都市の中心部にある大型店も、東京ほどではないにしても、非常に苦しい。
大都市中心部の大型店では、この程度の支援しかないのであれば、店を閉めない可能性がある。政府は要請に従わない事業者への罰則や店名公表を行っていく方針だが、適正な支援をせずに懲罰を与えたらどうなるか。裁判を起こされた場合、勝てるのだろうか。最高50万円程度の罰金ならば、倒産するよりマシと考えて営業を継続する店も出て来るだろう。
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