コロナ禍にベイスターズが多角化戦略、狙いは?:シェアオフィスやビアカフェ(1/3 ページ)
新型コロナの感染拡大は、プロ野球界にも大きな影響を与えた。各球団が苦戦を強いられる中、本業以外でも奮闘していたのが、横浜DeNAベイスターズだ。どんな事業を行っているのかというと……。
2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るい、無観客試合や入場者数制限など、プロ野球界にも大きな影響を与えた。各球団が苦戦を強いられる中、プロ野球事業以外でも奮闘していたのが、横浜DeNAベイスターズだ。8月にJR横浜駅構内にビアカフェを、9月に横浜スタジアム外周にハンバーガーショップをオープン。10月には、運営するシェアオフィスのオンラインイベントから生まれた「横浜DeNAベイスターズツアー」なども開催。コロナ禍でも攻めの姿勢を崩すことはなかった。プロ野球球団を運営する横浜DeNAベイスターズが、多角化を進める狙いとは。
売り込まないから受け入れられる
「私たちは、ソフトインフラだと言っていますが、野球は人の心を強く動かすスポーツです。365日のうち少しでもいい。ベイスダーズや野球といった要素が、さまざまな人の日常に溶け込み、それが育ってくれると良いと考えています。プロ野球以外の事業は、それを実現するための接点なんです」。こう話すのは、ビジネス統括本部副本部長の鐵智文氏だ。
ベイスターズとして、初めて球場外の「接点」の場として作ったのが、横浜スタジアム近くの「+B(プラスビー)」というコンセプトショップ。クッション、マグカップ、ジャケットなど、日用雑貨から衣類まで取り扱っている。しかし、商品に「ベイスターズ」の文字はどこにもない。というのも、この+Bの「B」は、ベイスターズではなく、ベースボールのBだという。普通は、なんとかチームをアピールしようと、「ベイスターズ」と入れるところだ。
「+Bのコンセプトは、『LIFETIME+BASEBALL(日常に野球をプラスする)』。横浜や関内を歩いていると、若い女性が+Bのキャップをかぶってくれていたり、赤ちゃん連れのお母さんがTシャツを着てくれていたり。これが、ベイスターズを前面に出したロゴやデザインだったら、きっと今のように日常的に着用してくれていないと思います。+Bのコンセプトが少しずつ広がっているんだなと感じています」
その後オープンしたシェアオフィス&コワーキングスペース「CREATIVE SPORTS LAB」やハンバーガーショップ「BALLPARK BURGER &9」なども、野球の要素は入れながらも、ベイスターズを打ち出してはいない。
「いきなりベイスターズを好きになってくれる人がいれば、それはもちろんありがたいのですが、入口は、ビールが好き、ハンバーガーが好き、でもいいんです。その先でベイスターズを知って、ベイスターズを好きになってくれれば」
関連記事
- 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - なぜ「すしざんまい」は、マグロの初競りを自粛したのか
マグロの初競りで一昨年は3億3360万円――。驚くような落札額で世間をにぎわせてきた「すしざんまい」(運営:喜代村)が、今年のマグロ初競りを自粛した。なぜ自粛したのかというと……。 - 「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か
女優・石原さとみさんの眉がどんどん細くなっている。彼女のファンからは「そんなのどーでもいいことでしょ」といった声が飛んできそうだが、筆者の窪田さんは「日本経済にとって深刻な事態」という。なぜなら……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.