今年ブレイクしそうな「アップサイクル」、どうやって活用しているのか:事例紹介(2/4 ページ)
「アップサイクル」という言葉をご存じだろうか。不要になったモノに新たな付加価値を与え再利用することだが、今年ブレイクしそうな予感が漂っているのだ。アップサイクルを活用している事例を見ると……。
ファッション業界が抱える問題
アップサイクルが特に活性化しているのは、ファッション業界だ。毎年、シーズンごとにさまざまなトレンドを発信するファッション業界では、シーズンが終わると不要となった生地や素材がデッドストックとなり、エコではないのがネックだった。さらに、大量生産による安い服が出回るようになってから、ファッション業界から排出される廃棄物の問題は深刻化してきた。
そのような状況を改善すべく、さまざまなブランドが独自のアイデアで問題に取り組んでいる。
まず、環境問題に積極的に取り組んでいるアウトドアブランドの「パタゴニア」は、2019年に「ReCrafted」というコレクションを立ち上げ、不要になった製品を再利用したアイテムの販売を開始した(関連リンク)。
同社は、以前より商品を修繕するリペアサービスを展開してきたが、修繕やリサイクルするのも難しい商品がゴミとならないように新たなアイデアをビジネス化している。アップサイクルを得意とするLAの縫製会社と提携して、不要となった衣類を組み合わせて、ダウンジャケット、ベスト、セーターやバッグなどの製品に作り替えているのだ。
職人によって一点ずつ縫製されるので手間がかかるため割高だが、味わいがあると人気は上々のようだ。試験的に立ち上げたプロジェクトだったが、いまやビジネスとして成功している。
また、老舗英国ブランドのバーバリーもアップサイクルに積極的なブランドの一つだ。デッドストックとなってしまった生地やサステナブルな素材を使用したコレクション、「ReBurberry エディット」を20年より展開している。
そして、The British Fashion Council(英国ファッション評議会)と協力して、不要になった生地を学生に寄付する試みも始めている。資源を有効活用すると同時に、ファッションを学ぶ学生を支援できるとあって、有意義な取り組みになっている。
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