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なぜ次々と新ジャンル? バルミューダが社長一本槍から脱却目指すワケ:家電メーカー進化論(4/6 ページ)
家電メーカーが絶え間なく進化を続ける秘訣を紹介する「家電メーカー進化論」。初回は、20年12月に東証マザーズへ上場を果たしたバルミューダだ。新型クリーナーの開発工程から見るスピード感とこだわり、株式上場の目的と今後について、代表取締役社長の寺尾玄氏にうかがった話を全2回でお送りする。
自身が掃除機を使わない理由から考えた
例えば、今回開発する新しいジャンルとして一番要望が多かったのが掃除機だ。実は寺尾社長が普段の掃除に使っているのは、使い捨てシート利用のフロアモップ一択で、そもそも自宅で掃除機を使うことはなかったという。
そのため、なぜ掃除機を使わないかを寺尾氏が自身で掘り下げてみたところ、収納場所から取り出すのが面倒だったり、掃除機はヘッドの移動方向が制限されて思った通りに動かないなどの使いにくさを感じていたからだと分析。そこで、新製品ではこの2つの問題をクリアにするよう開発チームに要望した。
このアンサーとして、開発チームが提案したのがBALMUDA The Cleaner最大の特徴であるホバーテクノロジー。これは、2本のブラシをそれぞれ内側に高速回転させることで掃除機が宙に動いているかのように自由自在に動くという技術だ。
従来の掃除機は、1本のみのブラシが回転している構造のため、基本的にヘッドを前後にしか移動させられなかった。一方、BALMUDA The Cleanerは2本のブラシを採用することで、ヘッドと床との摩擦を最小限に抑えられ、その結果として前後左右斜めなど、360度どんな方向にも軽い力で動かせる。
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