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なぜ次々と新ジャンル? バルミューダが社長一本槍から脱却目指すワケ家電メーカー進化論(6/6 ページ)

家電メーカーが絶え間なく進化を続ける秘訣を紹介する「家電メーカー進化論」。初回は、20年12月に東証マザーズへ上場を果たしたバルミューダだ。新型クリーナーの開発工程から見るスピード感とこだわり、株式上場の目的と今後について、代表取締役社長の寺尾玄氏にうかがった話を全2回でお送りする。

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使いやすさ・心地良さをもたらすデザインへのこだわり

 もうひとつの「収納場所から取り出すのが面倒」という課題に関しては、リビングなどに出しっぱなしにしても目立たないデザインを採用。最近のコードレス掃除機が紫やシルバー、赤などの派手なカラーリングが多い中、あえて白と黒という、どのインテリアにもなじむモノクロカラーを採用した。今トレンドの「魅せる」デザインではなく、インテリアに「馴染む」デザインとなっている。


低い位置に重心があり、ホウキのような安定感のある本体デザイン。使っている時間より、使っていない充電時間のほうが圧倒的に長いため、充電中の美しさにもこだわっている

充電中に本体を横から見ると本体がやや後ろに傾いている。これも最も自然で美しい角度を追求した結果だ

 バルミューダの家電は、性能面以外にデザイン性の高さも人気理由のひとつとなっている。実はバルミューダ内では、家電のデザインを大きくわけて「シンプル&クリーン」と「モダンクラシック」の2系統に分類しているという。

 空調家電など、おもに生活に密着した家電はシンプル&クリーンを、使う過程も楽しむキッチン家電などには、複雑なフォルムと愛嬌を備えたモダンクラシックデザインを多く採用しているという。BALMUDA The Cleanerは、リビングでも主張しすぎないシンプル&クリーンデザインが採用されている。


写真はモダンクラシックデザインで統一されたキッチン家電シリーズ。調理家電にシンプル&クリーンデザインを採用すると、プリンターのような無機質な印象になり「美味しそうな料理が作れそう」というイメージが湧きにくいという。使う楽しさまで考えられたデザイン性の追求もバルミューダならでは

 開発段階から1年以上BALMUDA The Cleanerを自宅で使用しているという寺尾社長は「本体デザインが主張しすぎないので出しっぱなしにでき、使いたいときにすぐ使える。そのうえ、使うと独特の浮遊感が楽しく、“掃除する”という心理的抵抗が少ない。掃除といえば『やりたくない家事』『面倒な作業』というイメージがあるが、BALMUDA The Cleanerは、むしろ掃除がしたくなる道具なので、掃除回数がとにかく増えた。」とコメントした。

後編へ続く

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