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「100億円プレーヤーはもう飽きた」変わり続けるバルミューダの野望:家電メーカー進化論(2/5 ページ)
2020年12月16日には東証マザーズに上場したバルミューダ。前回はクリーナーを軸に、製品の開発工程や同社ならではのスピード感、デザインへのこだわりについて紹介した。今回は、同社が上場を目指した目的、上場後の未来と野望について、代表取締役社長の寺尾玄氏に語っていただいた。
当初の上場目的は、会社自体の品質強化
――そもそもなぜ上場を目指したのか。
自分は「企業」というのは、2つの要素でできていると考えている。「商品」と「組織」だ。これは戦(いくさ)に例えるなら武器と兵隊のようなもので、この両方のバランスがとれていないと勝てない。
しかし初期のバルミューダは、おそらく誰の目から見ても商品先行の会社だった。例えば「こういう製品が欲しい」と自分が考えてデザインと製品設計をする。町工場を回って製造してくれる会社を探し、思い通りに改良し、梱包方法考えて……と、とりあえず頑張っているうちに商品が出来上がるといった具合で、いわゆる勘と気合とラッキーで乗り切っていた部分が大きかった。バルミューダ立ち上げ時は社員が私1人、GreenFanの立ち上げ時は3人だったこともあるが、とにかく組織力が弱かった。
とはいえ、このやり方は小規模な会社だからできること。突っ走って製品を開発した結果、あとから品質や在庫の問題が起きたり、原材料の価格高騰や不良在庫により製品の価格がバランスを崩してしまう危険もある。
正直なことをいえば、今まで組織力不足によるいろいろな問題を経験した。実はバルミューダは5年ほど前から上場に向けて動き出していたのだが、当初の上場目的は、上場することで会社の品質管理能力を強化することにあった。
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