コラム
焼き肉業態で「非正規差別」? 批判記事を巡り、ワタミが抗議した「論拠」とは:「効率化で非正規切り」は本当か(4/4 ページ)
コロナ禍で焼き肉業態へ業態転換を進めるワタミだが、近頃「非正規差別」をしているとの批判記事が公開された。これを受けてワタミ側は抗議文書を発表したが、その根拠は? 取材で見えてきた事実とは。
ワタミは国の政策を活用せず、「非正規差別」をしているのか?
ちまたでは、緊急事態宣言下でも営業を継続したお店や、従業員を休業させているにもかかわらず十分な休業手当を払わなかった企業、それどころか先行きが見えないとして全従業員を解雇した会社などが批判にさらされていたが、売上の大幅減という苦境の中、ワタミでは休業している店舗のアルバイト従業員に関して休業手当をきちんと支払っている。
また同社社長の清水邦晃氏をはじめとして、複数の執行役員もアルバイト従業員出身であり、毎年アルバイト従業員から多くの社員を採用している。社員登用実績はこれまで数百名にものぼっており、ワタミが本当に元記事の指摘するような「非正規差別」がある会社なら、到底そんなことは起こり得ないだろう。ワタミ側も特にこの件については「非正規差別という表現は強く否定いたします」と強い口調で反論している。
やはり、一時は「ブラック企業」としてさまざまな批判にさらされたことで、ワタミに対しては依然として厳しい視線が注がれているようだ。しかし、今回の取材を通して積極的な業態転換とその調子のよさが分かったとともに、特に非正規差別をしているわけではないことも明らかになった。コロナ禍が収まらない今、居酒屋業態の新たな挑戦として今後も同社の動きをウォッチしていきたい。
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