JR東のシェアオフィス、3月までに100カ所に 駅ナカ以外にも展開加速:ホテルやジムと提携
JR東日本は、シェアオフィス「STATION WORK」を2021年3月までに100カ所体制にする。これまで主に展開してきた駅ナカだけでなく、ホテルやフィットネスジムなどと融合させた拠点を増やす。
JR東日本は2月8日、シェアオフィス「STATION WORK」を2021年3月までに100カ所体制にすると発表した。シェアオフィス需要の拡大を受けて、同社の事業エリア全域に拠点を広げるほか、これまで主に展開してきた駅ナカだけでなく、ホテルやフィットネスジムなどと融合させた拠点を増やす。
STATION WORK事業は19年8月に開始。主に駅構内で、個室ブース型の「STATION BOOTH」、半個室やオープンスペースを備えた空間「STATION DESK」などの形態を展開している。
駅などで気軽に使用できるシェアオフィスの需要は増えていたが、新型コロナウイルス感染拡大後はさらにニーズが拡大。23年度には、STATION WORKの拠点を1000カ所に広げる目標を掲げている。
まずは3月までに新たに21カ所開業。都心エリアでさらに拡充するほか、東北信越エリアの主要駅にもSTATION BOOTHを設置する。また、ホテルと提携する拠点も増やし、100カ所のネットワークを構築する。
今後は、駅以外の立地でも拠点を増やし、「ライフスタイル提案型」のシェアオフィスとして展開していく。コロナ禍をきっかけに、オフィスや商談などの移動の合間に便利な拠点だけでなく、テレワークを前提とした生活で利用しやすい拠点が求められるようになったからだ。ホテルと提携したり、フィットネスジムやコンビニ、カフェなどと併設する拠点を構えたりと、多様なシェアオフィスを展開する方針だ。
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