博報堂DYホールディングスは2月10日、連結子会社の博報堂プロダクツ元社員による不正が発覚し、約27億円の損失が発生したと発表した。
博報堂プロダクツ元社員は2016年から4年にわたって、同社の費用で金券や商品券を購入して現金に換金し、その代金を支払うために金券や商品券の発注、現金への換金を繰り返していた。いわゆる不正を隠すために不正をして、金額が膨れ上がっていた格好だ。
「換金率分の不足を補う金券及び商品券の追加発注と金券ショップでの換金、発注先への支払いを繰り返し、不足分が増加していく自転車操業を4年にわたって続けた結果、昨年12月時点での金券及び商品券代金の未払い合計金額は約43億3千万円となっています。なお、本人が換金した16億2千万円は当社にて保全しております」(博報堂プロダクツ)
昨年12月に発注先からの残高確認によって発覚し、元社員は1月29日付で懲戒解雇。同社グループでは警察に相談し、法的措置を検討しているという。
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