いま注目の自律分散型組織「ティール組織」とは何か?:コロナ禍で(1/4 ページ)
「ティール組織」は、社長や上司がマイクロマネジメント(過干渉)をしなくても、目的のために進化を続ける組織を指します。どんな特徴があるのでしょうか。
「ティール組織」は、社長や上司がマイクロマネジメント(過干渉)をしなくても、目的のために進化を続ける組織を指します。このティール組織について、組織の変遷を俯瞰しながら解説します。
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本記事は、2021年2月号に掲載された「いま注目の自律分散型組織『ティール組織』とは何か?」(著者:嘉村賢州)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。
コロナ禍で現実味を帯びてきた新しい組織論の可能性
新型コロナウイルスの広がりは、「未来は予測できコントロールできる」という世界観の限界を見事に証明する機会となったような気がします。世界中の叡智(えいち)を集めたとしても収束のめどがつかないこの時代のなかで私たちはいま、どのように行動すべきなのでしょうか。
こういった不確実な状況のなかで「こういう時こそ強いリーダーが必要だ」という流れと「こういう時こそ一人一人の現場でのリーダーシップが大切だ」という流れに二極化しているようです。どちらにしてもよい悪いはないとは思いますが、いまの時代が示しているのは必ずしもリーダーが次の展望を見つけられるとは限らないという事実でしょう。
変化に強い組織に共通すること
この不確実な状況下で、困難な状況に陥っている組織と、うまく対応している組織を見ていくと、平常時の組織運営の在り方と緊急時の個々人の在り方に差が生まれているようです。
困難な状況に陥っている組織は平常時においても自転車操業であったり、1つのビジネスモデルに過度に依存していたり、また指示命令系統が厳格であるという印象があります。
リモートワークが広がろうとしているなか、経営層のITリテラシーが低いゆえに変化に対応できなかった組織も多いのではないでしょうか。こういった組織は緊急時においてはパニックになりやすく、自己中心的、自組織中心的な考え方に陥りやすく、また不確実な状況がストレスとなり他責の発言が多くなっていきます。
それに対して、うまく対応している組織はどうなっているでしょうか。こういった組織は平常時から分散された権限を持っていて、現場が自ら判断できる流動的な組織の場合がほとんどです。またビジネスモデルも分散しており、メインのビジネスがダメージを受けても、他の部分でカバーできていたりします。
何よりユーモアがある組織文化で、何でも提案できたり「やってみよう文化」があることで、コロナ禍でも即座にさまざまなITツールをトライ&エラーしてすぐに適応している組織が多いようです。こういった組織の人たちは緊急時においてもこのような変化を危険なものと見なすより、変化のチャンスとして捉える傾向があるようです。
段階的に組織の変遷を俯瞰する
変化に強い組織を見ていったときに、比較的多くの部分がティール組織の概念に合致します。段階的な組織の変遷と、ティール組織がもっている3つの特徴からティール組織を説明していきます。
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