2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

ジョブ型雇用導入のためのToDoリスト(1) ジョブの整理と職務記述書の作り方(1/3 ページ)

近年、ジョブ型雇用が注目を浴びており、大手企業でも次々と導入を始めています。対比となるシステムが日本企業が長年採用してきたメンバーシップ型雇用です。本記事ではそれぞれの特徴を明確にし、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移行するときにどのようなステップを踏むべきかについて解説します。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 近年、ジョブ型雇用が注目を浴びており、大手企業でも次々と導入を始めています。対比となるシステムが日本企業が長年採用してきたメンバーシップ型雇用です。

 本記事ではそれぞれの特徴を明確にし、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移行するときにどのようなステップを踏むべきかについて解説します。

photo
画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

メンバーシップ型が目指した姿

 このシステムが目指していたイメージを図表1に示します。基本的な考え方は次の通りです。

photo
図表1.メンバーシップ型雇用が目指した姿

(1)人事制度の基準を「人」におく

 賃金などの人事処遇の基準は、能力や年齢という「人」の要素で判断します。その代表的な例として職能給があげられますが、能力のレベル向上に合わせて職能給も高くなるシステムです。

(2)能力は勤続年数とともに向上するという前提

 能力は年齢や勤続年数とともにアップするという前提がありました。その根拠として、新卒者の初任給は平等に一律同じであり、賃金カーブのスタート値となっていることがあげられます。勤続年数がゼロの者の職能給は最も低く、それ以降の勤続経過とともに賃金が上昇するのは、勤続年数に比例して能力は上がることを意味しています。

(3)能力は下がらないという前提

 職能給制度は、能力は一度上がったら下がることはないという考え方でした。従って賃金も下がることはなく、昇給し続けことになりました。

(4)新卒一括採用と人材教育とジョブとの関係

 日本の人事制度の特徴に、正社員は新卒一括採用を基本とし、企業が人材育成を行うということがあげられます。さまざまな社員教育システムが組まれ、OJTや社内外研修が行われています。このように人を育てながら、その従業員に仕事(ジョブ)を付けていく点がメンバーシップ型雇用の特徴です。

メンバーシップ型雇用の現実の姿

 メンバーシップ型雇用が目指した姿を解説しましたが、運用の結果は図表2のようになったと指摘されています。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る