就活生にとって厳しい状況は続くが、本当に大切なことは:先は本当に長い(2/3 ページ)
コロナ禍のなか、就活を続け、Webでの面接など、ほとんどの人が体験たことのないことを経験し、この4月から新社会人として社会に巣立つ人は、一向に落ち着かない状況のなか、不安でいっぱいだろう。人気企業のランキングもかなり様変わりした。
では、海の向こう、アメリカではどうなのだろう。日本とは比較にならないほどコロナの被害が大きく、産業界への影響もすごかったはずなのだが、調査会社ユニバーサムが発表した「2020年のアメリカの人気就職先ランキング:経営学や商業学を学ぶ大学生を対象」を参照すると、多少のランキングの変動はあるものの、上位の顔ぶれはあまり変化がない。
1位、2位はGoogle、Appleで、ウォルト・ディズニー・カンパニー、Amazon、Nikeと続く。J.P. Morgan、Goldman Sachsの人気も根強い。NetflixとSpotifyもランクインしている。
これまでは、どちらかといえば、10年もたてば一変しているアメリカでの人気企業と違い、日本では、大きな変動もなく、じっくりと変わっていくのが傾向だった。
ところがこのコロナ禍では、逆で、アメリカ(コロナ禍は世界一ひどい)では、あまり変わらず、日本で大きく変わってきた。
しかし、よく見ると、アメリカでは、やはり時価総額のデカイ企業が連なっている。要するに考え方としてはシンプルだ。時価総額が高い→市場に評価されている→そこで働くことで自分の仕事が評価される、といった思考サイクルか。
日本の場合、トヨタやソニーは時価総額でもトップだが、キーエンス、日本電産などの時価総額上位社が連なるわけでもなく、人気と実力はまた別物ということなんだろうが、このあたりは採用戦略の違いというか、巧拙というか、マスメディアへの露出も含めてのブランディングに学生が取り込まれているのかもしれない。
この様相を見てみると、表面的な企業イメージや短期的な業績の浮沈に引っ張られすぎているのではないか。
よく言われる「安定志向」ということでもない、売り上げの大きさに比例しているわけでもない。安定だけを求めるのであれば、公務員は別にしても、歴史のある企業を選べばいい。数々の試練を乗り越えてきた、まさにレジリエンスに優れた企業だといえるだろう。
そう考えると、この人気ランキングも、どういう基準での選択なのか正直よくわからない。
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