就活生にとって厳しい状況は続くが、本当に大切なことは:先は本当に長い(3/3 ページ)
コロナ禍のなか、就活を続け、Webでの面接など、ほとんどの人が体験たことのないことを経験し、この4月から新社会人として社会に巣立つ人は、一向に落ち着かない状況のなか、不安でいっぱいだろう。人気企業のランキングもかなり様変わりした。
市場が評価する基準と学生が行きたくなる企業は別なのは理解できるが、コロナで業績が急に変わったから志望する企業もガラッと変わるのでは、これまで何をやってきたのかと思いたくもなる。
結局、企業の力にぶら下がっていくのかと言いたくもなる。
残念ながら、もはや個人の働く期間のほうが、多くの会社の寿命より長いのだ。一生ぶら下がることは、もはやできないと考えたほうがいい。
年金受給も65歳となり、少なくとも65歳までは、フルに働かないと食えない。50歳代後半で役職定年となり手当が削られ、60歳からの再雇用ではアルバイト並の給与になってしまうのももはや当たり前だ。
それはまだいいほうで、事業の撤退、縮小によるリストラも日常茶飯事だ。
そろそろ、本当の就職(就社でなく!)を考えてほしい。
コロナによる一過性で業績を落とした業種もあるかもしれないが、瞬間的な業績と無責任な市場予測に振り回され、70歳まで稼ぎ続ける力を身につけることを忘れてしまっては、それこそ本末転倒だ。
これから50年稼ぎ続けるには何が必要かを考えよう。これまで社会で働いたことはないのだから、自分に本当に合っていること、何を身につければ長期的に稼ぎ続けることができるのかは分からないのは仕方のないことだ。
しかし、企業の表面的なイメージだけで選んでしまっていては、ずっと会社に頼り続けることにつながってしまう。
まずは考え抜いて、自分なりの仮説を持つことだ。上手くいかないこともあるかもしれないが、そのときはまた考え直せばいい。
先は本当に長いのだから。(猪口 真)
関連記事
- 電通が史上最大の巨額赤字……高くついた「のれん代」の恐ろしさ
電通グループが15日に発表した2020年12月期の通期決算によれば、当年における最終赤字は同社としては史上最大の1595億円となった。しかし本業では黒字である。最大の要因は、海外事業における「のれん」の減損損失1403億円だ。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - ユニリーバ流「人事制度はこう作る!」 自由な働き方「WAA」が成功した5つの秘訣と導入の極意とは
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスでは、2016年に人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を制定し、働く場所と時間を社員が選べる新しい働き方を取り入れた。制度の導入を先導した島田由香さん(取締役人事総務本部長)に、アイティメディアの人事部長・三小田(ミコダ)がインタビューを行い、人事制度の導入の秘訣を聞いた。 - 「厳選採用」時代、中途採用戦略の立て方とは? カギは雇用形態と成長フェーズ
コロナ禍により採用予算が削減されたことが要因で、多くの企業で余裕をもった人材採用が行えなくなった。「厳選採用」の傾向が続く中、できる限りミスマッチのない採用を行うために、ますます重要になっているのが「採用戦略」だ。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.