連載
空き店舗が目立つ”裏原宿”で「古着屋さん」が増加? 若者の間でブームが起こるワケ:磯部孝のアパレル最前線(4/4 ページ)
今、若者達の間で「古着」が再注目されている。民間調査会社の調べによれば2019年度の国内ファッションリユースの市場規模は、前年比16.1%増の7200億円まで成長しているそうだ。
これまで記したように、一様に断じにくい面を持っているのが、現在の古着ファッション人気の傾向といえる。また、「リバイバイルブーム」としてデザインに取り入れられる年代が80年代から90年代に移ってきた。安価でベーシックな洋服が権勢を振るってきたファッション業界の中に、古着ファッション特有の1点物や着古した使用感が、味わいとして再認識されれば個性的なスタイリングも増え、ファッションの多様性が広がる。
お気に入りの洋服選びの選択肢が増えるということは提案できるファッションの楽しみ方も広がろう。ファッション業界全般に閉塞的なニュースが多い中で一筋の光明となるか。わずかながらでも期待したいものである。
著者プロフィール
磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)
1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。
2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。
2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)
2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。
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