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1000円に手を出す「ダイソー」と100円にこだわる「セリア」 コロナ禍でも好調な業界に変化:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/7 ページ)
コロナ禍でも100円ショップ業界が好調だ。「2強」のダイソーとセリアでは戦略が大きく異なる。キャンドゥとワッツの独自戦略にも迫る。
無印よりダイソーで働きたい
商品の感度がアップして、おしゃれなものが増えたことから、100円ショップ業界のイメージも向上している。
調査研究機関「ツナグ働き方研究所」によると、2020年における「アルバイト採用ブランド力」の1位はダイソーで、2位は無印良品、3位は東京ディズニーリゾートだった。
アルバイトの職場として、近年100円ショップの人気が高まっている。19年に発表した同様のランキングでは、セリアが1位(20年は7位)、ダイソーが2位と、上位を独占していた。
同研究所は人気の理由として「価格がほぼ100円で統一されていることから、自分でも働きやすそうという圧倒的な敷居(しきい)の低さ」を挙げた。ダイソーがセリアを逆転したのは、「コロナ禍によって通いやすさが重視されたから」と分析する。ダイソーの店舗数はセリアの2倍ほどあり、家の近くにある安全な職場というイメージを持たれている。また、「“ダイソーにないものはない”と言わしめる品ぞろえの豊富さも、ブランドイメージにつながっている」と分析している。
このように、生活者がアルバイトをしてみたいと思えるほど、身近な存在となっていることが、100円ショップの好調の一因だと考えられる。
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