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コロナ下の地震や台風…… 避難所の“たらい回し”を防げ! 混雑状況を可視化するIT企業の挑戦:自治体職員の負担も減らす(3/4 ページ)
感染防止のため、避難所の定員を少なくする自治体が増えている一方、災害時に定員オーバーの避難所を“たらい回し”にされる危険性が高まっている。IT企業のバカンは自社サービスを提供して、課題解決を目指す。
自治体のニーズとは
なぜここまで同社のサービスを利用する自治体が増えているのだろうか。バカンの河野剛進社長によると、各自治体は感染対策のため、避難所にテントを設置するとともに、住民同士の距離をとらないといけなくなった。すると、避難所の収容率が下がってしまう。
また、定員オーバーの状態になってしまった避難所を住民が訪れた場合、自治体職員は別の場所を案内する必要がある。職員が空き情報を把握しようとすると、災害対策本部にいちいち電話をかける必要がある。自治体の災害対策本部には、さまざまな場所から問い合わせが殺到するため、現場の職員は多忙を極める。
こういった課題を解決するには、住民や自治体職員がリアルタイムで混雑状況を把握できる仕組みが必要になる。飲食店の空き情報をリアルタイムで配信するVACAN Mapsはそのニーズにぴったりとはまったというわけだ。
河野社長によると、避難所情報の配信に関する基本サービスは無償で提供しているという。背景には、新型コロナウイルスへの対応で各自治体の予算に余裕がなくなってしまっていることがある。無償で提供することの是非については社内で議論があった。しかし、社会貢献と自社サービスを広く知ってもらう機会になればという思いで無償化に踏み切ったという。
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