インタビュー
“ガチガチに縛る”時代の終焉 カシオ計算機が「全社員の副業」「シニア世代の兼業」を解禁したワケ:カシオの人事トランスフォーム(後編)(1/2 ページ)
「G-SHOCK」でおなじみのカシオ計算機が、全社員に対する副業と50歳以上の兼業を解禁。その狙いを、カシオ計算機人事部長の吉岡俊幸氏と人事部の桐山英之氏に聞いた。
「G-SHOCK」でおなじみのカシオ計算機は、2種類の特徴的な人材活性化策を導入している。一つは、定年後の再雇用における成果主義の制度化。もう一つは、全社員に対する副業と50歳以上の兼業の解禁だ。後編では、副業と兼業の解禁について、カシオ計算機人事部長の吉岡俊幸氏と人事部の桐山英之氏に聞いた。
制度化から1年弱、解禁の成果は?
副業と兼業の解禁は、2020年3月21日にスタートした。副業と兼業では、制度の内容や認証条件が異なるので分けて紹介する。
カシオ計算機では、副業を(1)他社と雇用契約を結ぶことなく、業務委託契約や個人事業主等で働くこと、(2)時間外や休日に他の職場で働くこと──と定義している。そうなると、同社での勤務はフルタイムになるので、給与の減額はない。
解禁から1年が経過しているが、成果はどうだろうか。
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