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AI insideの衝撃【前編】売上を250%成長させるSaaSの逆セオリー(4/7 ページ)

手書き書類を人工知能(AI)を用いて高精度にデジタルデータに変換するOCRソフトウェア 「DX Suite」を提供するAI insideは、2021年3月期の業績予想売上高が対直近年度+281%を見込み、3月期決算の国内上場企業で最も高い成長率での着地を見込んでいます。同社がいかにSaaSプロダクトを急成長させたか。また、新たに展開を加速させているAI プラットフォーマー化への展望を前編・後編でお伝えしていきます。

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「THE Model」から離れて急成長するAI inside――SaaS企業の売上成長率

 急成長を続けるSaaS企業においては、「THE Model」と呼ばれる営業プロセスモデルが主流であり、高い売上高成長率を記録する企業が増えています。

 「THE Model」は、営業プロセスを切り分け、各段階での情報を数値化・可視化する取り組みです。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった人員配置を基本的な組織形態として設置します。いわば分業化による強力な社内直販体制の構築です。

 このような手法を取り入れながら、国内SaaS企業として最も高い時価総額を誇るfreeeは、定常的な収益を示すARR成長率が年率で+49.9%、国内SaaS最大手のSansanは+24.3%といった高い成長水準に達しています。


SaaS上場企業ARRランキング(2021年2月)

 軒並み高い成長率をみせるSaaS企業の中でも、AI insideは他を圧倒する水準であることが伺えます。なぜ同社はここまで急速な成長が可能なのでしょうか。

 その秘訣(ひけつ)は、渡久地氏がインタビュー中に口にした「エクスポネンシャルな成長を目指す」という、他のSaaS企業とは異なった圧倒的な成長志向と、そこから導き出された「SaaSの逆セオリー」にあると筆者は考えています。

※エクスポネンシャルは「指数関数的」の意味であり、リニア(直線的)な成長と区別して使われることが多い。


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