オンライン合同説明会で、学生に響く企業説明:言いたいことより、聞きたいこと(2/4 ページ)
3月の到来とともに一斉に各大学では合同企業説明会、いわゆる合説が開かれています。昨年から突如始まったコロナ過。オンライン合説がスタンダードとなった元年の今年。求人企業はどう成果を得るべきか考えます。
オンライン合説のメリット
オンライン合説はまたたく間に全国を席巻しました。なんといってもオンライン化のメリットがやってみてよくわかったからです。特に地方大学で、わざわざ大都市まで移動しなければ参加できなかった合説や、各大学に企業を招いての説明会は、オンライン化により一気に全国が一律に実施できることになりました。
授業のオンライン化には批判もありますが、残念ながらコロナへの安全性が確保できない以上、「オンラインが嫌」という気持ちはわかりますが、他に代替できる手段がありません。世界的な感染症に対して、「あるべき論」でしか反証できない意見が通ることは難しいでしょう。
また参加者とのコミュニケーションは「味気ない」とか「熱意や真意が伝わらない」という意見があるものの、単に慣れと方法でいかようにもコミュニケーションは取れると思います。正論より実利が認識されているからこそ、オンライン説明会は完全に定着しましたし、この先コロナが解決した後も、続いていくだろうと思います。
オンライン合説における企業の課題
さて私は全国のさまざまな大学や就活イベントで基調講演や就活セミナーを行ってきました。私の講演後に参加学生は各社の説明を聞き、リアルな対面合説同様に質疑応答を行います。
今ではすっかり企業側も慣れ、各社それぞれに工夫も見られます。一方で、未だに「単にリアル説明会を映像化しただけ」の古くさい説明企業が、かなり多いのではないかと感じています。
私は学生に企業の見方、企業研究手法を指導していますが、その際の最も重要なソースが一次情報です。つまり企業自身が発する情報こそ、学生にとって重大な判断材料となります。その説明会がつまらない、中身の薄いもので大丈夫でしょうか。
特に私は長年国立大学など上位校の理系大学院生を指導してきました。理系学生が知るべき企業情報は文系と違い、技術や製品情報が欠かせません。最近は技術者出身・理系の人事担当者もずいぶん増えてきました。それでも自社製品や技術について語らず、経営理念やら福利厚生ばかりのつまらない説明会に陥っている企業はかなり見ています。
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