超小型衛星4機を打ち上げ アクセルスペース中村友哉CEOが語る「衛星画像が変える5年後の世界」:地球観測サービス「AxelGlobe」の勝算【前編】(4/4 ページ)
超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開するアクセルスペース(東京・中央)が、自社で開発した衛星「GRUS」4機を、3月20日に打ち上げる。複数の同型衛星を一度に打ち上げるのは、日本の企業では初めてだ。同社の中村友哉CEOに、サービスを本格化させる「AxelGlobe」の狙いを聞いた。
5年後は衛星画像の活用が生活を変える
「AxelGlobe」について、中村氏は15年の時点では、全世界をいつでもどこでも撮影するために衛星を50機体制にすると説明していた。ただ、砂漠や海上などデータが必要ない場所も多いことから、現時点では最低10機の体制を考えているという。
「10機あれば世界中のどこでも1日に1回撮影できます。まず10機体制にして、その後にいろいろなニーズが出てきてカバーできなくなったときに、増やしていくことを考えたいと思っています」
また、今回完成した4機のうちの1機は、福井県と一緒に取り組んだ福井県民衛星でもある。福井県内の企業が部品などを提供し、アクセルスペースと福井県が共同で運用する。福井県民衛星は、他の4機のデータもシェアすることができるという。
「私たちの衛星のデータをバーチャルに使えるのは、一種のシェアリングエコノミーですね。これは画期的なことだと思っています。例えば47都道府県が衛星を1機ずつ持てば、50機という当初掲げた目標も達成しますので、私たちとしては大歓迎です。自治体の参入は今後も十分あり得ると思っています」
いずれにしても、5機体制が実現すればその後の展開も早くなる。「AxelGlobe」事業は、半年以内のサービス黒字化と、単月売り上げの1億円突破を早期の目標にしている。さらに「3年以内に年間数百億円の売り上げを達成したい」という。中村氏は「AxelGlobe」の衛星画像が、5年後の生活を変えると断言する。
「5年後にはAxelGlobeは間違いなく完成しています。宇宙のデータをいろいろな人に使いやすい形で提供できるプラットフォームができていくでしょう。そのときにはAxelGlobeの画像が直接的か間接的かは別として、私たちの暮らしの中のサービスにかなり使われるはずです。5年後には衛星画像が生活を変える時代が来ると思っています」
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