焼肉きんぐ、幸楽苑、ワタミに「配膳ロボット」が続々登場 変わる従業員の働き方:感染リスク低減(4/4 ページ)
大手外食チェーンで配膳ロボの導入が進んでいる。人手不足解消や、感染リスクの低減が目的。働き方はどう変わるのか。
443台の稼働を目指す「焼肉きんぐ」
大手焼き肉チェーン「焼肉きんぐ」などを運営する物語コーポレーションも配膳・運搬ロボットの導入を進めている。店舗に配置しているのは、大戸屋と同じサービィだ。
同社は19年11月に数店舗で配膳業務の実証実験を行った。その結果、十分な効果が見込めると判断したため、21年1月から310店舗にて計443台を順次稼働させる方針を打ち出した。広報担当者によると、現在は目標の2割程度の店舗に導入されているという(3月12日時点)。計画からやや遅れてはいるが、4月中旬までには予定している店舗への配置を完了させる。
同社がサービィを導入するのは、「焼肉きんぐ」と「ゆず庵」だ。郊外ロードサイドを中心とした大型レストランで、テーブルバイキング方式のサービスを提供している点で共通している。
サービィを導入する狙いは「お客さまに提供するサービスを磨く」(広報担当者)ことだ。例えば、焼肉きんぐには「焼肉ポリス」と呼ばれる従業員がいる。焼肉ポリスは、テーブルを回って素材を最良の状態で食べられるように“おせっかい”をするのが仕事だ。配膳業務をロボットに任せれば、こうしたサービスに集中できる。
一般的な食べ放題サービスを利用するお客の場合、1組で十数回オーダーをするという。何度も厨房とテーブルを配膳のために往復するのはかなりの負担となる。同社の実証実験では、1日当たり約300回の配膳業務を実施し、業務用途に十分耐えられると判断した。
ロボットの導入を検討し始めたのは新型コロナウイルス感染拡大よりも前だ。また、同社はリアルな接客を軽視しているわけではない。しかし、ロボットの導入は生産性向上だけでなく、従業員とお客の不必要な接触機会を減らすことに役立つのは間違いない。
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