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超小型衛星4機を打ち上げ アクセルスペース中村友哉CEOが語る「民間宇宙ビジネスの未来」地球観測サービス「AxelGlobe」の勝算【後編】(4/4 ページ)

超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開するアクセルスペースが、自社で開発した衛星「GRUS」4機を、3月20日に打ち上げる。複数の同型衛星を一度に打ち上げるのは、日本の企業では初めてだ。アクセルスペースの中村友哉氏、経産省、JAXA、NASAなどに民間による宇宙ビジネスの未来を聞いた。

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アクセルスペースへの期待

 シンポジウムの最後には、中須賀氏がアクセルスペースの衛星コンステレーション事業についての期待を述べた。

 「衛星コンステレーションビジネスにはすごく期待しています。ただ、宇宙の仕事をしている僕らは分かっていても、世の中の人はまだ宇宙のことをあまり分かっていないですよね。衛星画像データをこれくらいの値段で購入できるとか、どれくらいの頻度で撮影できるのかも知られていません。衛星画像データが売れなければ、衛星をつくるための原資も集まらなくなります。

 大事なことは、衛星を活用するユーザーが広がっていくことです。多くの企業や個人が、自分たちのビジネスに宇宙のエッセンスを取り入れることができるかを考えるようになれば、100人に1人か2人は面白いアイデアで事業を展開するかもしれません。もっとバラエティーに富んだ使い方をする人たちが現れることを期待したいですね」

 中須賀氏の言葉を受けて、中村氏があらためて今後の事業展開について抱負を述べた。 「ようやくここまで到達したというのが今の思いです。衛星コンステレーション計画を15年にスタートしてから、複数機の時代がきたことで、一気にビジネスの拡大が加速していくタイミングだと思っています。そのためには衛星の量産もしっかりやっていきたいです。

 5年後には、衛星のデータを使った生活が当たり前になります。そのときに私たちが強い立場になれるように、頑張っていきたいと思います」

 アクセルスペースの複数衛星の打ち上げと、「AxelGlobe」のビジネスの本格化は、日本の民間宇宙ビジネスの先頭を走る事業として期待されている。政府やJAXAによる民間企業への支援も広がるなかで21年は日本でも宇宙ビジネスが新たな局面を迎えそうだ。

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