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「1日3回」が歯磨き粉市場に起こした“大逆転”とは? ライオンがしかけた啓蒙マーケティングのすごみ:消費行動の変化(4/6 ページ)
2020年、歯磨き粉市場にある大きな変化が起きた。ライオンが1日3回の歯磨きを推奨した結果、消費行動に変化が起きたと筆者は指摘する。
1日の歯磨き回数をどう増やすか
1日2回歯磨きをしている人たちが3回磨くようになれば、さらに市場が拡大することは容易に想像できます。そこで、この層に向けて同社は「歯磨きを多くしてもらう」ための啓蒙活動をしてきたのです。
昼に歯磨きをすると、オーラルケアの観点から非常に良い効果が期待できるとされています。虫歯にもなりにくいし、歯周病も防げる。食後のエチケットだけでなく、眠気覚ましにもなります。
私は、コンサルティングのために、小売業やサービス業のお客さまの現場に行くことがあります。職場の人たちは、休憩をとったら歯磨きをするのが「当たり前の習慣」なので、私も一緒に歯を磨いています。
そのため、自然と1日3回歯を磨くようになりました。普段の仕事で使うカバンや、出張用のバッグの中にも歯磨きセットを入れています。
ライオンでは、プレス向け予防歯科セミナーを開催するなどして、オフィスでも「昼歯磨きをしよう」と呼び掛けてきたのです。それに合わせて、職場にキープしておいても恥ずかしくないような商品や、通気性がよくて清潔な状態が保てる商品を開発し、会社でも歯を磨くことを習慣化するように推奨してきました。
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