日本にとって“渡りに船”だったのか? LINE騒動はゴタゴタ中:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
LINEの個人情報が、中国からアクセスされているとして大騒動に。多くのユーザーは以前と同じように使っていると思うが、3月に合併したヤフー側はこの騒動をどのように受け止めているのだろうか。
LINEの成り立ち
まず、LINEの成り立ちから振り返ると、もともとは韓国企業であるネイバー社の日本法人によって作られた通信アプリだった。11年に発生した東日本大震災でメッセージをやり取りするアプリが必要だとのことから、日本で本格的に開発がスタートし、日本人が日本で生み出したサービスであると言われてきた。ただ親会社は韓国企業だったために、今回問題になったように、データが韓国などに置かれてきた。
アプリが公開されると瞬く間に人気を集めた。簡単に利用できる便利さだけでなく、スタンプなども広く使われるようになり、どの世代からも支持されるまでに成長した。ちなみに、LINEの純正のキャラクターは韓国人デザイナーが作ったもの。日本国産ではあるが、韓国の色も含まれていることがうかがえる。
ただ以前から、国産アプリのような印象ではあるが、実は韓国のものではないか、といった声は一部で上がっていた。そうした話は国会などでも取り上げられたことがあるし、19年に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)で日韓がもめた際には、 「韓国側がLINEの日本人ユーザーなどの重要な情報を中国に流すぞと脅しをかけたようだ」と、米国の関係筋から言われたこともある。また日本の情報関係者からも、「(韓国スパイ組織である)国家情報院から『LINEはすべて見れますよ』と言われたことがある」と直接聞いたこともある。どちらも真偽のほどは不明だが……。
そんなアプリではあるが、一般ユーザーや政府、自治体、民間企業などがこぞってLINEを使ったサービスに乗り出していた。ユーザー数8600万人を誇るサービスを使えば、多くの人が便利になるとの思いからに他ならない。
LINEを運営していたLINE社は、ソフトバンク系のヤフーと21年3月合併し、Zホールディングスグループという会社になり、アプリを運営していくことになった。その矢先に、この問題が浮上した。
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