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ファーウェイ成長急にブレーキ、日本事業のリスクは“キオクシア”<ファーウェイの現在地・中>浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/4 ページ)

通信機器大手のファーウェイは3月31日、2020年の決算を発表。売上高は前年比3.8%増の約15兆円、純利益は同3.2%増の約1兆円。米国による規制が続く中、増収増益を確保。ファーウェイ・ジャパンの王剣峰会長は、20年の日本企業からの調達額を公表せず、輸出規制強化が相当な影響を及ぼしていることを示唆した。

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スマホの販売で甚大な影響

 ファーウェイの決算では、通信インフラ事業と消費者向け端末事業の失速が浮き彫りとなった。日本市場も同じ傾向にあり、王会長は次世代通信規格の5Gについて「日本市場から事実上排除されていることに変化はない。キャリアとの取引にも甚大な影響が出ている」と説明した。ただし、通信事業者以外の法人との取引は堅調だという。

 王会長はさらに、「通信事業者向け以上に影響が出ているのはコンシューマー事業、つまりスマートフォンだ」と語った。


決算発表に合わせ、日本でのビジネス環境を説明するファーウェイ・ジャパンの王剣峰(ジェフ・ワン)会長

 半導体の調達をふさがれ生産に制限が出ているためで、今後の見通しも立たないが、「本社の方針はクリア。日本で存続できる限りは存続する。どんなに苦しい状況でも存続したい」という。スマホについては、胡副会長兼輪番会長も「フラッグシップモデルは計画通り発売していく」と述べた。

 ファーウェイは、中国ではスマホに代わるビジネスの開拓を進め、鉱山事業者や養豚事業者にICTソリューション提供を始めた。日本での今後の展開について、王会長は「当社はこれまで製品を供給してきたが、さまざまな産業がDXに取り組むようになり、各産業のニーズに基づいたソリューションを提供する方向にシフトしている。ただ、ファーウェイは日本のマーケットに盤石な地盤を持っているわけではないので、日本では引き続き製品販売に注力する」と語った。

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