「焼売ブーム」到来!? かつや、大阪王将、味の素が熱烈に注目:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/7 ページ)
焼売に注目する企業が増えている。かつや、大阪王将、味の素が相次いで個性的な商品を投入。コロナで苦しんでいる居酒屋を救う可能性もある。
「シウマイ」は栃木弁の発音に由来
崎陽軒の創業は1908年(明治41年)。旅客に寿司、牛乳、サイダーなどを販売していた。15年から本格的に駅弁を販売したが、横浜駅が始発駅の東京駅に近すぎるため売れなかった。
初代の野並茂吉社長は、売り上げを伸ばすために何か名物が必要と考えた。野並氏は当時南京町と呼ばれていた中華街で焼売を突き出しとして提供していて、土産物として持ち帰る人がいたことに注目。その頃の横浜には名物がなかったが、「それなら新しくつくろう」と28年にシウマイの販売を開始した。
シウマイの名称は、野並氏の出身地である栃木弁の焼売の発音に由来するという。
ただし、点心は基本的に温かい状態で食べるもの。冷めると味が落ちてしまう。駅で売るには冷めてもおいしくなければならないので、開発は困難を極めた。試行錯誤の末、干しホタテ貝柱と戻し汁を使うことでこの難題を解決。豚肉の臭みもなくなった。
しかし、シウマイが売れるようになったのは、戦後になってからのこと。50年に「シウマイ娘」という駅のホームでシウマイを売るキャンペーンガールを投入。そのシウマイ娘が新聞小説『やっさもっさ』(獅子文六著)の題材となり、映画化もされてシウマイが一躍脚光を浴びた。
シウマイのヒットを受けて、シウマイ弁当を54年に発売。これも売れた。
デパ地下や、横浜駅以外の駅に販路を拡大したきっかけは、64年の東海道新幹線の開通も大きい。それまで、全ての列車が停車していた横浜駅を新幹線は素通りするので、危機感を持って出店を重ねた。その結果、首都圏一円に崎陽軒の強固な販売網が構築された。横浜名物のシウマイが首都圏の住民にとって身近な存在になった。
このように、同社は焼売の日常食化に貢献していると言えよう。
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