有名ブランドの服を“激安”で売る「オフプライスストア」が増殖中 背景にバーバリーの焼却事件:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
売れ残った有名ブランドの洋服や靴を激安で販売する「オフプライスストア」が増えている。大手アパレルのワールドやゲオグループなどが参戦。単に安く売るのではなく、ある特徴を備えているという。
ゲオグループも展開
ゲオグループのゲオクリア(名古屋市)が経営する「ラック・ラック クリアランス マーケット」は3月26日、千葉県習志野市に「ミーナ津田沼店」をオープンした。
面積は155坪で、商業施設ミーナ津田沼の3階にある。レディース・メンズ・キッズ衣料品、バッグ・靴・アクセサリーといった服飾品、化粧品などを販売している。商品点数は約2万点で、インポート、カジュアルなど約300ブランドをラインアップしている。
ラック・ラックではメーカー希望小売価格の30〜80%オフをメインに販売している。店舗オープン時に、商品を3点以上を買うとさらに20%オフになるといった特典が付くケースもある。
「宝探しのようなショッピング体験」がコンセプト。リアル店舗の強みである友人や家族との買物体験を楽しめる空間を提供。内装はシンプルなデザインで、アイテムやテイストをまとめて陳列することで欲しい商品がすぐに見つけられるように工夫している。
こうした商品選びや店づくりのノウハウは、ゲオが誇るリユースショップ「セカンドストリート」のノウハウが生きている。
ラック・ラックは、19年4月、横浜市港北区に1号店のコーナン港北インター店をオープン。以降、大阪府八尾市にリノアス八尾店、埼玉県本庄市にビバモール本庄店、埼玉県所沢市に新所沢パルコ店、大阪府岸和田市に岸和田カンカンベイサイドモール店、東京都町田市にミーナ町田店を次々に出店。百貨店にも展開しており、名古屋名鉄百貨店、松坂屋静岡店を出店している。現在、津田沼店を含め9店となっている。
期間限定のポップアップストアも、高知市の高知大丸店(2月19日から3カ月限定)が出店中。さらに、さいたま市に浦和パルコ店(4月23日〜6月10日)がオープンする。
ラック・ラックに並ぶ商品は、同社の趣旨に賛同するメーカーの特別提供品、1年以上前の商品も含めた在庫余剰品、軽度のほつれや擦れ・サンプル品といった規格外の商品、季節外商品など。それらをバイヤーがメーカーに営業して、安価で買い付けて販売している。
同社では、順調な売り上げを背景に24年までに全国50店の出店を計画している。
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