ユニクロ一強のカジュアル市場に一石を投じたワークマン アパレル業界は「安さ」が全てなのか:磯部孝のアパレル最前線(1/4 ページ)
作業服専門店からカジュアル市場への参入を図り、ユニクロ一強の市場に一石を投じたワークマンは、強烈なインパクトを放った。しかし筆者は「安さは企業の親切であるかのように語られるべきではない」と懸念を示す
緊急事態宣言解除の間際となった3月19日、都内初の#ワークマン女子が東京ソラマチ(東京都墨田区)にオープンした。4月2日なんばCITY店(大阪市)、4月16日川崎ルフロン店(神奈川県川崎市)、5月14日ポンテポルタ千住店(東京都足立区)と矢継ぎ早に3店舗をオープンして今後も年間5〜6店をターミナル駅か駅近に直営(運営代行業者を起用)で出店を計画している。好調ワークマンはそれだけでは終わらない、なんと#ワークマン女子の本命はロードサイド店舗だというのだ。
モール店で勢いをつけて10年で400店を出店計画。そのロードサイド店を2021年中に5店オープンする予定で、6月10日に南柏店(千葉県柏市)を開店予定。その後も盛岡南店(盛岡市)と長岡川崎店(新潟県長岡市)を10月に、前橋吉岡店(前橋市)、水戸元吉田店(水戸市)は11月初旬にオープンする予定だ。
このうち、前橋吉岡店と水戸元吉田店は、集客に有利なグループ企業のカインズの敷地内に出店。路面業態の#ワークマン女子それぞれの初年度の売上目標は2.5億〜4.2億円。直営で運営する南柏店を除いた4路面店舗でフランチャイズ(FC)加盟店を募集している。
この好調ワークマンが取り組む#ワークマン女子は、マスコミに取り上げられる機会も多い。停滞しているアパレル業界にあって、店舗数500を超えるチェーンストアで年間2桁の伸びを記録している企業はワークマンをおいて他にはないからだ。
作業服専門店から、カジュアル(日常着)市場への参入を図り、ユニクロ一強のカジュアル市場に一石を投じた姿は強烈なインパクトを放った。まずは「安い」と感じさせる価格戦略には、値段以上に感じさせる何かが存在しているように思う。
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