「リードが枯渇する」「マネジメントできない」……インサイドセールスの悩みはなぜ起きる? 3つの失敗談から学ぶ!:“顧客との付き合い方”のデザイン法(3)(3/5 ページ)
実際の失敗談を基に、インサイドセールスの立ち上げやチーム運営においてのポイントをお伝えする。
【失敗2】短期的な商談獲得により信頼と顧客を失う
2つ目の失敗は、短期的な商談創出を狙うあまりに、信頼を損ない、見込み客を失うというものだ。インサイドセールスは、テレアポ営業とは違う。インサイドセールスのミッションは、商談につながる顧客を適切に見極め、機会を創出することだ。つまり、直近で貢献・支援が難しい顧客であれば、無理に商談機会を作らずその旨を伝え、情報提供を行いつつ適切な時期でコンタクトをすることも重要な仕事だ。
しかし短期的なKPI達成のみにこだわってしまうと、こういった方針に反することが起きてしまう。
私のチームでも経験したのが、無理に日程を調整しようとするコミュニケーションが強すぎるあまり、顧客から敬遠されるようになったことだ。メールや架電で、日程調整の打診をするというのはインサイドセールスにおいては必須行為ではあるが、その意識が強すぎるあまり、本当に役に立てるかの情報収集が曖昧なのに商談の日程ばかり打診・催促してしまうということがチームで起こっていた。
そういったコミュニケーションが積み重なった結果、メールの返信率は下がり、結果的に本来は貢献できるであろう顧客からも良い返事が来なくなり、信頼を失ってしまうということがあった。顧客の視点からすれば当然の話で、自分の状況も伝えていないのに「日程を調整したいです」と言われれば「こちらのことを理解してくれていないな」と感じられても仕方のないことである。
こういった反省から、
- 役立てる顧客の状況や特徴をチーム内で認識をすり合わせる
- メール連絡の際はまずは簡単に状況を伺うことを徹底
- KPI意識は強く持つがストレッチしすぎない調整を行う
といったことを実施していった。
また、適切に役立てる時期をすり合わせる行為にインセンティブが働くように、そういったリードの数を計出することも施策の一つとして考えられるだろう。
顧客の信頼をすり減らしていくのではなく、獲得して貯金していく。そして、長期的に関係性を構築し、適切なタイミングでフィールドセールスにパスできる状態を作ることが、インサイドセールスのミッションである。このことを、インサイドセールスのリーダーは強く意識すべきだ。
【失敗3-1】商談数を作り、後はフィールドセールス任せになっている
3つ目の失敗談は、チーム間連携についてだ。インサイドセールスの運営で必ずと言っていいほどテーマになる、フィールドセールスとの連携から説明する。
インサイドセールスが商談を作り、フィールドセールスがその商談を受注するという関係性なので、受注が伸びないときに、インサイドセールスは「商談を作っているのにフィールドセールスが受注できない」、フィールドセールスは「インサイドセールスが作る商談の質が悪い」と互いに原因を押し付け合うようなサイロ化が起きやすい。
自分自身も苦い経験がある。インサイドセールスの運営に携わり始めて間もない頃は、前述のようにとにかく商談数を創出することばかりに頭が行きがちだった。フィールドセールスとの取り決めにある商談の要件を満たしていれば、とにかくアポイントを取る方針で運営していた。
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