1泊20万円超も コロナ禍なのに高級ホテルが続々開業するワケ:リピーター続々(3/5 ページ)
宿泊業の経営破綻や開業延期・中止などのニュースが続いているが、新規開業が目立ち鼻息荒いのが“高級”といわれるホテルや旅館だ。
古民家×ラグジュアリー
10万円超という高級宿とオールインクルーシブは親和性が高いようだ。21年2月に開業した「ロクワット西伊豆」(静岡県伊豆市)もオールインクルーシブで人気を博する宿。夕食・アルコールさらにはスパトリートメントまで含まれるというから徹底している。地域活性という点でも注目されている施設で、西伊豆土肥地区の観光再生プロジェクトの一翼も担っている。
300年の歴史を持つ屋敷をフルリノベーションし、イタリアンダイニング、ジェラートにベーカリー、宿泊施設が一体となっている。同施設は、母屋・一の蔵・二の蔵・三の蔵・庭で構成していて、二の蔵・三の蔵の二つの蔵を宿泊施設としてリノベーションした。1日2組限定で提供している。二つの蔵ともに露天風呂へ大きなスペースを割いておりトータルで約90平方メートルを有し、スペースを持て余すくらいのぜいたくな空間に仕上げている。ちなみに、一の蔵は日中スパトリートメント、夜にバーへ変身する。
ダイニングは母屋にあるイタリアン。北鎌倉本店のイタリアンレストラン“タケルクインディチ”が出店。伊豆という場所もあり素材のうまみをそのまま生かすことをモットーとし、ガーリックもオイルも感じないイタリアンが人気だ。
富裕層や古民家ファンなどにより口コミで広がり、その料金帯にして大きな人気を博しているという。とはいえ1日2組限定ということで、緊急事態宣言期間を除いても競争率は高そうだ。2室という規模ならではの「最高のおもてなし」を自負し、リピーター率の高さが特徴的だ。実勢料金は1泊(2人1室)14万円〜(オールインクルーシブ)。納得したものには何度でもお金を支払うという富裕層のリピーター像がうかがえる。
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